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会社のつぶし方 ~「火に油を注いだ」タカタの稚拙なコーポレート・コミュニケーション

 

概要

 タカタの倒産は回避できたはずだ。しかし経営陣の稚拙なコーポレート・コミュニケーションが同社を倒産に追い込んだ、といっても過言ではない。
 ホンダ、トヨタ、日産ら日本の自動車メーカーはもちろんのこと、フォード、フォルクスワーゲン、GMなど各国の自動車メーカーにも納品し、エアバッグ世界シェア2位にまで上りつめたタカタ。しかし2008年より、エアバッグの膨張ガスを発生させるインフレーター関連の不具合が相次いで判明し、2015年には、アメリカ運輸省がタカタのエアバッグの欠陥を企業の不祥事と位置づけた。制裁金、訴訟費用、リコール費用、の三重苦にあえぐ中、タカタの評判は地に落ち、今年6月に製造業としては戦後最悪の倒産(負債総額1.7兆円)に追い込まれてしまった。
 タカタの事例は日本企業にありがちな危機対応のまずさが露見した。コミュニケーション戦略では、組織に責任がある場合、容認・調和・順応を迅速に行わなければならないのだが、タカタは否認と沈黙を繰り返し、適切なリコールや情報開示を拒んだ。その結果、ユーザー、取引先、メディア、政府、など、あらゆるステークホルダーの不信感を著しく増幅し、四面楚歌の状態を自ら作ってしまった。
 タカタの経営陣は明らかに認識していなかったが、倫理的な、誠意をもった企業行動はペイすることが立証されている。最近の研究では訴訟天国の米国でさえ、謝罪することが(裁判でのリスクを加味しても)、社会的費用を下げることがわかっている。クライシス・マネジメントでは、前向きな姿勢で、迅速に行動し、謝罪し、責任をとり、「最悪を想定し、最善を期待する」ことが必須だ。
 製品の優位性や評判など、すべてにおいて順風だったタカタ。タカタは納入先から見ても重要な供給パートナーであったため、関係会社からの救済が期待されていた。しかしタカタ経営陣による劣悪な危機管理を目の当たりにして、彼らからも見切りをつけられた。路頭に迷う社員をはじめ、関係会社や業界に混乱を招いたタカタ経営陣の罪は重い。

 

第1回
2017年12月09日(土) 13:30 ~ 15:00


講師:竹下 誠二郎

講師紹介

氏名竹下 誠二郎  静岡県立大学経営情報学部教授
講師紹介ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院MBA課程修了、ロンドン大学バークベック校経営学博士課程修了。24年間、ロンドンの金融街にて勤務。英国BBC放送などをはじめとしたテレビ番組や寄稿、講演などにも積極的に活動。ドイツ銀行、ABN AMROオランダ銀行、みずほインターナショナル(英国)・ディレクター等を経て、2015年4月より現職。日本型経営システムにて欧米型ガバナンスとの融合が可能な領域をみつけ、日本企業のイノベーションへの取り組みを広げる研究を目指す。

開催に関するお申し込み

会場B-nest(ビネスト)静岡市産学交流センター 小会議室1(住所:静岡市葵区御幸町3番地の21)
受講料1,960円
申込締切2017年11月30日(木)

お問い合わせ・お申し込み

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E-mail:crms(ここに@を入れてください)u-shizuoka-ken.ac.jp

静岡県立大学経営情報学部大学院経営情報イノベーション研究科

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